【業務用餃子・卸先インタビュー】第1回は、
「曾さんの餃子」を独立開業したミャンマー人夫婦の登場です。
開業からどのように経営を安定させていったか、独立時のリアリティを探ります。
独立開業を考えていらっしゃる人の見通しや勇気になれればと思います。
店舗情報
店名:曾さんの餃子 水道橋店
住所:東京都千代田区西神田2-7-14 YS西神田ビル 1F
電話番号:050-5596-4010
餃包の創業者「曾 敏延」のDNAを受け継ぐ肉汁餃子ブランド。
短期間に「暖簾分け」できる業態としても注目されている。
料理人不要で、商品と接客と気軽な雰囲気により差別化されている。
【曾さんの餃子】概要
「曾さんの餃子 水道橋店」は、2018年の9月に東京都千代田区の水道橋駅徒歩3分のところに独立開業した店舗です。
オーナーであるザーチイ夫妻は、それまで当社直営店の「肉汁水餃子 餃包 六本木交差点」でランチ営業を中心に働いていました。
人生で一度は独立開業して自分のお店をもつチャレンジをしてみたい。どうせやるなら「業務用餃子の餃包」を他の地域にも広めたい。その想いで独立開業を決断されたザーチイ夫妻。
2018年の9月の独立開業時から11月まで、売り上げは順調に上がっていきましたが、12月で一度下がってしまったとのこと。直営店とは全く違う集客の動きに戸惑いもありました。
しかし、餃包はただの流行り物アイテムではなく、一過性のブーム商品でもない。本店がそうだったように、着実に毎月毎月、毎年毎年ファンを増やしていける商品であり事業だ、と信じて接客を一生懸命していきました。
年が明け、2019年1月からは徐々に回復していき、そして4月には当初掲げていた目標を達成したそうです。
現状の利益率は15%ほどで、初期投資額の800万円はこの1年で回収の目途が立っていらっしゃいます。
立地の水道橋という地域は、近くに大学もあり、4月からは大学生のお客様も増えてきて賑わってきました。
この記事では、業務用餃子を仕入れ、独立開業チャレンジをしたミャンマー人夫婦の軌跡を追います。
(インタビュアー:田村)
曾さんの餃子・独立開業チャレンジ
田村: 曾さんの餃子の独立開業前後のことを教えていただけますか?
ザーチィさん: 直営店の時はランチ営業のみ担当していたので、夜の営業がちゃんとできるか最初は不安でした。
他にも経営や資金のこと、お店づくり、スタッフの育成など、心配なことはいっぱいありました。
だから何年も悩んできました。でも本当はやりたい。やらないと始まらない。だから思い切って独立開業しました。
しかし、裏通りということもあり、夜の店頭はこんなに人がいないのかと最初はびっくりしました。
お客様からも「何でここなの?」とよく質問されます(笑)
同じ場所で以前やっていたカレー屋は3か月でなくなり、その前の肉バルのお店も閉店してしまった事をお客様から教えてもらいました。
独立開業の場所をここに決めた理由は、夫婦2人で無理なく通える範囲だったからなのですが、開業時には理想とのギャップも少し感じました。
田村: 独立開業時の初期投資額と回収状況はいかがですか?
ザーチィさん: 曾さんの餃子の独立開業にかかった初期投資は800万円。400万が頭金、デザイン費や改装費で200万、残りは備品その他の必要経費でした。
ランチが好調なスタートで、ディナーも徐々に常連様がついていきました。開業時から利益がちゃんと残せたのは本当に良かったです。
冬に少し下がる時期もありましたが、そこから徐々に伸びて、平均利益率15%くらいになっています。
約一年で初期投資の回収ができそうです。
今後はさらに繁盛させて、子供もいるので早くマイホームを買いたいなと思っています。
2店舗目を開業するのも目標です。
曾さんの餃子独立開業時の開店サポート
田村: 人気の業務用餃子を仕入れたとしても、独立開業は初チャレンジの人にとってはハードルが高かったのではないですか?
ザーチィさん: お店を一から開業する経験が無かったので、例えば席の設計や照明の明るさはどうしたらいいか、など基礎的なことでも分からないことだらけでした。
しかもミャンマーからきた外国人夫婦ですから、ちゃんと店舗を貸してもらえるか、とか、心配なことばかりでした。
そんな中、直営店を経営する株式会社アールキューブ(有限会社タロコ)の坂田茂取締役のサポートがとてもありがたかったです。
卸商品の仕入れだけでなく、席数や照明の明るさの調整から始まり、ランチのご飯セットの提供のアドバイス、仕入れ先や食器や備品類の業者さんのご紹介、販促や接客、オペレーションなど業務面のアドバイスなど、最初の一カ月は何度もお店に来てフォローをしてくれたのが嬉しかったです。最初はカウンターばっかりだったお店にテーブル席を導入してから、特に夜の売り上げが増え、口コミの点数などもそれに付随して上がっていきました。こちらから直営店に足を運んで、最新のお店の取り組みなどを学ぶのも役立ちます。
また、直営店の常連様が私達のお店に足を運んでくれて、応援してくれたのも本当に嬉しかったです。
田村: あらためて業務用餃子の餃包の魅力を教えてください。
ザーチィさん: もちもちの生地に肉汁がじゅわっと溢れてくる。通常の業務用餃子とはかなり違うのでとても魅力的です。自分が「美味しい!」と心から思い、曾さんの餃子を独立開業までして広めたいと思った商品をお客様に喜んでいただけるのは純粋に嬉しいです。また、商品の仕入れだけでなく、親身になって相談に乗っていただけるところがありがたいです。
業務用餃子で独立開業をお考えの経営者様へ
田村: 業務用餃子で独立開業をお考えの経営者様にメッセージをお願いします。
ザーチィさん: 飲食店の経験があれば十分チャレンジできると思います。もし未経験でも直営店で修行ができたりするので、まずは相談してみることをおすすめします。
私は、直営店がどんどん成長していくのを目の当たりにしてきました。月商も500万円から1300万円のお店に成長するところを体験しました。
だから業務用餃子の餃包に自信があります。でも、その商品力だけではなく、お客様との親密な関わりや接客があってこそ価値が最大になると思います。
独立開業チャレンジには確かに大変なことも多かったです。でも、やって良かったです。やらないで後悔はしたくないですよね。
外国人の私でもできました。ぜひ、一緒にがんばりましょう。